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解決のために知っておくべきこと残業代

職務や業種によっては請求できないのか

管理職は当然に請求できないのか

労働基準法上の「管理・監督者」にあたると残業代は請求できないことからか、一般的に「管理職は残業代を請求できない」と思われています。「管理・監督者」と一般的にいう「管理職」は異なる概念であることは弁護士の感覚としては当たり前なのですが、マクドナルドの店長さんがこの点を争い、「管理・監督者にあたらない」として残業代の請求が認められたことがマスコミで取り上げられてからか、「私は管理職だけど残業代を請求できるのではないか?」と思われる方が増えてきている気がします。
この「管理・監督者」にあたるかの判断基準として、裁判例上①事業主の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限が認められていること、②自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有していること、及び③一般の従業員に比しその地位と権限にふさわしい賃金上の処遇が与えられていること、という三要件が確立されており、これをご存知の方も少なくないでしょう。
理論上は①がいちばん重要で、中小企業ではオーナー社長のワンマン経営が多いのでこの要件を明らかに充たす、ということはあまりありません。それだからか、東京地裁の裁判官は「管理・監督者の該当性は一般論としては厳しく判断されます。」とおっしゃる方が多いです。とはいえ、①の要件は会社の内部のものとして不明確なことが多いので、②③で要件を充たさないことを証明することが労働者にっとては楽だと思います。その中でもより客観性があるものとしては③なので、裁判官としても③で判断される方が多いような気がします。要するに給料がさほど高くない人は、それだけで管理監督者にはあたらない、と認めてくれるのです。この点、地域によって賃金の基準が異なるので具体的な額までお伝えすることはできませんが、月給30万円以下の方で「管理・監督者」と認められることは通常はあり得ないと思います。

業界によって請求できないこともあるのか

業種によって労働時間等についての規定の適用が排除されることは原則としてありません(「監視又は断続的労働に従事する者」として警備員などについて排除される余地がありますが、厳格な要件のもとに規定の適用が排除されるので、現実にはあまり適用されません)。にもかかわらず、現実問題として、美容師や理容師の方ですと、店の営業時間に合わせて開店前から閉店後まで働き、休みも週1日だけ、というのがほぼ業界の常識になっているようです。飲食業ですと、営業時間外の仕込みにも時間が取られたり、アルバイトの休みを埋めるために休日返上で働くなど、月の労働時間が300時間を超える方も少なくありません。このような店舗の営業時間に合わせて働かれる方は、タイムカード等がなくても、仕事の内容と営業している店舗の営業時間そのものが労働時間を証明する客観的な証拠にもなり得ますので、特に退職を決意された方はぜひ弁護士に相談してください。

・「管理職」と、残業代が請求できない「管理・監督者」とは異なる概念です。

・給料がさほど高くない人は、それだけで管理監督者にはあたらないと認められます。

・業種によって残業代がもらえないことは、原則としてありません。

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