解決事例
使用者が解雇の無効を認め、任意に解決金を支払った事案
Cさんのケース
Cさんは、中堅の配管工事を営む会社に、新卒者として入社しました。入社後、満足な研修も受けられないまま工事現場に派遣されながらも、見よう見まねで仕事を覚えて試用期間の3ヶ月間を勤め上げ、無事に本採用されました。
しかし、その約1ヶ月後、「能力不足」を理由に、社長から解雇を言い渡されるとともに、解雇通知書を手渡されました。
最初の提案を断り交渉を続け、月給の5ヶ月分の金額で和解
Cさんは、解雇の理由に納得できず、当事務所に相談しました。当事務所は、相手方に内容証明郵便を送り、解雇の撤回か解決金の支払いかの二者択一を要求しました。
相手方は、素直に解雇が不当であることを認め、解決金の金額をめぐって交渉に応じてきました。最初はCさんの月給の3ヶ月分を支払うと申し出てきたのですが、その提案を断って交渉を続けた結果、5ヶ月分まで上乗せさせることができたので、その金額で和解しました。
相手方の提案に安易に飛びつかず時間をかけて交渉し、再就職が決まらないことなどの責任を問うことで、労働審判で争った場合の相場に匹敵する金額を引き出すことができました。
一般に、解雇の事案は、解決が長引けば長引くほど、使用者に不利とされています。そして、使用者がいくばくかの解決金を示すことは、解決を焦っていることの現れです。そういうときこそ、毅然と構えて主張すべきことを貫くことで、労働審判手続を経るまでもなく、正当な金額を任意に支払わせることが可能となるのです。