解決事例
80万円の提示を蹴った後の労働審判で、180万円の解決金で調停が成立した事案
40代 Sさんのケース
Sさんは3人の子供と妻と暮らす40歳の男性ですが、従業員が10人にも満たない専門商社に入社しました。入社当初から、給料の額が事前の話と違うなど、不安を覚えていましたが、その後、3ヶ月の試用期間を勝手に延長されるだけでなく、「会社の経営上の都合」という極めて漠然とした理由で、入社5カ月後に解雇されることになりました。
80万円の提示を蹴った後の労働審判で、180万円もの解決金を得る
当事務所から内容証明郵便を発送すると、会社側は弁護士を立てて、80万円を支払う意思を示しましたが、労働審判ではもっと取ることができると判断し、交渉を決裂させて、労働審判を申し立てることにしました。
すると、東京地裁における第1回期日において、残業代も含め180万円を解決金とする調停が成立し、Sさんは娘に自転車を買ってあげられると喜んでいました。
Sさんの勝因は、会社側の不当な圧力に屈することなく、解雇通知書を会社に発行させたこと、目先の解決金に飛びつかなかったことです。
裁判所では、解雇が無効との判断は比較的容易にしますが、解雇の意思表示があったことについては、かなり慎重に認定します。Sさんの場合、最初は、会社の社印の無い解雇通知書を交付され、さらに粘って社印を押印させるなどしたことが大きかったです。
また、解雇が無効とされた場合の解決金ですが、労働審判では給料の3~6カ月分が相場と思われますし、それとは別に、タイムカード等がありましたら、タイムカードに記録された残業代を請求することができます。なので、早い解決を望むとしても、残業代等についての証拠が存在する場合には、会社側が解雇の解決金についてそれなりの提示をしてきた場合にも、それを拒んで労働審判に持ち込むことが非常に重要になります。
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