アスベスト(石綿)関連の
疾患や症状

アスベスト被害賠償金の対象となる疾病は、中皮腫、肺がん(原発性肺がん)、石綿肺及びびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水です。

中皮腫とは

中皮腫は、肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜、精巣鞘膜にできる悪性の腫瘍です。
胸膜中皮腫では、息切れ、胸痛が多くみられますが、症状がなく胸部エックス線検査で胸水貯留を偶然発見されることもあります。そのほか、咳、発熱、全身倦怠感、体重減少などもみられます。腹膜中皮腫では、腹痛、腹部膨満感、腹水貯留などがみられます。
中皮腫の原因は、特にアスベストとの関連性が高いと考えられています。

肺がん(原発性肺がん)とは

原発性肺がんは気管支あるいは肺胞を覆う上皮に発生する悪性の腫瘍です(「原発性」肺がんとは、肺の気管・気管支・肺胞の一部の細胞ががん化したものをいいます)。
咳、痰、血痰といった症状がよくみられますが、無症状で胸部エックス線や胸部CT検査の異常として発見される例も存在します。
中皮腫と異なり、喫煙をはじめとして石綿以外の多くの原因でも発生しますが、アスベストの累積ばく露量が多いほど肺がんになる危険が高くなることが知られており、喫煙しない人の肺がんの危険性を1とすると、喫煙者は10倍、アスベストばく露者は5倍、喫煙をするアスベストばく露者は約50倍とも報告されています。

石綿肺とは

石綿肺は、アスベストを大量に吸入することにより、肺が線維化するいわゆる「じん肺」という病気の一つです。
症状としては労作時の息切れ、咳、痰が多くみられます。アスベストの吸引がなくなった後も症状が徐々に悪化し呼吸機能の低下が徐々に進み、在宅酸素療法が必要となる疾患です。
アスベストを大量に吸入した労働者に起こり、10年以上経過してから石綿肺の所見が現れます。

びまん性胸膜肥厚

びまん性胸膜肥厚は、臓側胸膜(肺を覆う膜)に生じた慢性的な線維性胸膜炎です。
症状は、呼吸困難、反復性の胸痛、反復性の呼吸器感染等がみられます。
比較的高濃度のアスベストの吸入により発症すると考えられており、潜伏期間は高濃度ばく露群で30年、それよりも少し低い群で40年という報告があります。

良性石綿胸水とは​

アスベストを吸入したことが原因で胸膜に炎症が起こり、胸水が貯まる病気です。
​他原因との判別が難しく、確定診断までに時間がかかることが多いです。​​

心当たりのある方は、
すぐにご相談ください。

当事務所は、お客さまが賠償金の受給対象にあたるかの判定や、賠償金・給付金の手続きなど、​
経験豊富な当事務所の弁護士・事務員がわかりやすくご説明いたします。​

※このページに掲載している写真、イラストはイメージです。